派遣法改正による2018年問題
特定派遣の廃止
アナタの会社は大丈夫?
平成27年に改正された労働者派遣法。期間制限の共通ルール化や派遣社員のキャリアアップなどについて定められる中で「特定労働者派遣事業の廃止」に関しては平成30年までの経過措置がとられることとなりました。
その経過措置期間の平成30年9月29日が来年に迫ってきています。今回は派遣法改正による2018年(平成30年)問題について、人材プロオフィスキャラクターの「プロ子女史」を先生として、枚方つーしんキャラクター「ぼしひこくん」と一緒に会話形式でみていくことにしましょう。
■特定派遣がなくなる
プロ子(以下:プ)「労働者派遣法改正は人プロつーしんで2年前にも取り上げたんだけど、覚えているかしら?」
ぼしひこ(以下:ぼ)「派遣で働く人にとってはいいことやった気はするで。派遣先での待遇を良くしよう、とか、派遣で働く人のキャリアアップを考えていきましょう、とか」
プ「意外と覚えてるじゃない」
ぼ「いいことは覚えておくタイプやねん」
プ「…じゃあ『特定労働者派遣事業の廃止』も改正の中に入っていたことは覚えているかしら?」
ぼ「漢字が多いやつはちょっと…」
プ「平成27年に派遣法が改正されるまでは、派遣には『特定派遣』と『一般派遣』という2種類があったの」
ぼ「そのどっちかがなくなるんやっけ?」
プ「特定派遣がなくなるの。労働者派遣事業には、許可制(労働局から派遣事業の許可をもらうもの)と届出制(労働局へ「派遣事業を行います」と届出をするもの)があり、この届出制が特定派遣だったの」
ぼ「なんかややこしいなぁ…。でもそれがシンプルになるんやったらいいやん」プ「もちろん派遣業界全体としてはいい方向に進んでいると思うわ。ただ、派遣労働者を利用している企業にとっては、自分のところに来てくれている人が特定労働者派遣だったら…」
ぼ「だったら…?」
プ「何も対策をしなければ、来年には働き手を失うことになるわ」
ぼ「え!」
■どっちの派遣会社?
ぼ「なんでそんなことが起こるん?」
プ「派遣会社には、許可制の一般労働者派遣の資格をもって事業を行っている会社と、届出制の特定派遣の資格をもって事業を行っている会社があるの。この特定派遣の事業が廃止になるのが来年なのよ」
ぼ「ということは……どういうこと?」
プ「アナタの会社に派遣社員さんが来ているとすると、その人が派遣されてきた派遣会社のことを調べる必要があるわ。もしも特定派遣の資格しかもっていない派遣会社なら…」
ぼ「来年は働いてもらえなくなるってことなんや」
プ「その通り」
■対策は早めに!
ぼ「じゃあ派遣社員さんを利用している会社はどうしたらいいん?」
プ「まずは取引のある派遣会社に『特定派遣か一般派遣か』を確認する必要があるわね」
ぼ「ちなみに人材プロオフィスはどっちなん?」
プ「もちろん一般労働者派遣の資格を持っているから大丈夫よ。特定派遣の資格しかもっていない派遣会社は『一般労働者派遣の許可を取るのか?請負契約にするのか?』など来年までに対策をしておかないと、派遣社員さんはもちろん派遣先にも混乱を生じさせることになるわね」
ぼ「許可をとればいいんやったら、早くした方がええな」
プ「ただ、一般労働者派遣の資格を取得するためには①財産的要件②事業所要件③キャリア支援制度の整備など、いくつかの条件をクリアする必要があるの。そして許可を取るには時間もかかるわ」
ぼ「来年になってから慌てても遅いってことか」
■派遣事業のこれから
ぼ「これから派遣事業はどうなっていくん?」
プ「派遣で働くということが、働き方の多様性のひとつとして、もっと認められるようになってくると私は思うわ。派遣法改正は派遣労働者の人たちにとってプラスになる部分が多いものよ」
ぼ「これだけいろんな人がいるんやから、働き方だっていろんな形があってもいいやんな?」
プ「あら…たまにはいいこと言うじゃない。でも本当にアナタが言うように正社員かアルバイトかという二者択一だけではなく、派遣社員という選択肢があることで働き方がもっと豊かになればいいと思うわ」
ぼ「なるほど…ということは働かないっていう選択肢もアリってことやんな?」
プ「あくまで働くことの多様性の話よ! おカネなら貸さないわよ…」
ぼ「まぁまぁそう言わずに。福沢諭吉の派遣ってことで、なぁ!」
プ「そのたくましさだけは尊敬するわ(苦笑)」
(おわり)